「紹介するよ。このちっこいのが原田大空(ハラダ タイセイ)」


唯人にポンッと頭を撫でられて照れくさそうに笑った。


「初めましてチホちゃん! チホちゃんの噂は常々聞いていました。どうぞよろしくお願いします!」


礼儀正しくペコッと頭を下げるその様子に、あたしもお辞儀を返した。


「そっちで相撲をとっている2人が岡本裕(オカモト ユウ)と宮田有馬(ミヤタ ユウマ)」


紹介されて背の高い2人が近づいてくる。


2人ともがっしりとした体つきで、近くで見ると少し怖い。


しかしこの2人も大空と同じで礼儀正しく、お辞儀をしてきた。


「で、相撲の行司役をしてたのが松田翔(マツダ ショウ)」


「初めましてチホちゃん。俺たちのことは呼び捨てでいいからね」


翔と呼ばれた男子生徒は唯人よりも少し背が高く、随分と美青年だ。


あたしは視線を合わせる事もできなくて、そっぽをむいてしまった。


「最後が保田和(ヤズダ カズ)。俺たちのまとめ役だ」


1人、少し離れたところに立っていた青年がその場で会釈をした。


その頬は少し赤くなっている。


あたしに近づいてこないし、もしかして体調でも悪いのかな?


「さ、これで全員だ」


疑問を吹き飛ばすように唯人がそう言った。