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少なくとも、みんなは唯人の事を怨んでなんていなさそうだ。


もし怨んでいたとすれば、唯人とこんなに長い時間一緒にいる事もないだろう。


唯人と一緒に行動することも、なんの違和感もないように見える。


「次は山登り!!」


川から戻って来た翔はすぐにそう言った。


幽霊だからか、川で散々遊んでもちっとも疲れている様子はない。


「山登りって、どこの山?」


あたしがそう聞くと「学校の裏山だ」と、即答された。


「裏山って、登れるようになっているの?」


「あぁ。生徒たちはよく登山をしているよ」


「道なき道を行くって感じだけどな」


翔の言葉に裕が補足を付け加えた。


道なき道か。


舗装されていないのかもしれない。


「クマとかさ、そういうのは大丈夫なの?」


「大丈夫だ。今まで出くわしたことはないからな」


翔の説明は一抹の不安が残る言い方だったが、まぁいいだろう。


危険だと感じたらすぐに引き返す事を約束して、あたしたちは高校へ向けて移動を始めたのだった。