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それからあたしたちは予定通りバスに乗り込み、移動を始めていた。


博物館までは2時間半かかる。


気分転換を兼ねたバス旅行のため、車内には和やかな雰囲気が漂っていた。


先生も、今日は生徒たちがどれだけ騒いでも注意する事はなかった。


今日を区切りにまたいつものクラスに戻る事を願っているのだ。


そんな中、あたしは一番後ろの席に座り自分の鞄の中を確認した。


登校途中、コンビニで購入した小型ナイフ。


『人を助けるのではなく、人を傷つけよう』


聖也がそう言った事を思い出していた。


『バスジャックしてやるんだ。みんなをバスから降ろして俺たちだけで目的地へ向かう』


あたしは大きく深呼吸をした。


それはあたしたち2人が全員分の犠牲になるという意味だった。


バスは予定通り爆発する。


しかしそこに残っているのはあたしと聖也の2人だけ。


『それでみんなの寿命が延びる?』


『俺たち2人が大いにかかわって来たクラスメートたちだ。死期が伸びる可能性は高い』


聖也はそう言い、小型ナイフを手でもてあそんだ。