昨日の別れ際偶然見えた聖也の番号札は3ケタまで減っていた。


いつの間にそんな数字になったのか、最初に泊まった時はまた何百万という単位だったはずだ。それが、気が付けば3ケタまで減っていた。


あたしはその事が気になって夜に聖也に電話をかけたのだけれど、本人に伝えてしまった事をすぐに後悔していた。


命を伸ばすためには犠牲を探す事が必要だ。


だけど、聖也が自分のために誰かを犠牲にするなんて考えられなかった。


聖也が死ぬのを黙って見ていることもできない。


じゃぁ、一体どうすればいいんだろう?


そう考えていると、気が付けば朝になっていたのだ。


あたしはノロノロと制服に着替えて、一階へ向かった。


食欲はなかったけれど、食パンをひと口かじって外へでた。


外に出た瞬間、聖也が目の前にいてあたしは小さく息を飲んだ。


「聖也……どうして?」


戸惑いと驚きを隠せず、そう声をかける。


「夢を見たんだ」


聖也は真剣な表情でそう言ったのだった。