あなたに贈るホラー短編小説

「ミナミさん、隠しても

ムダですよ」




僕はそう言って、

ポケットに手を突っ込み、

ジャックナイフを握りしめた。






「僕がアナタの声を

聞き間違えるはずがない。




アナタは知らないかもしれない。




僕が午後の十時を

毎日、心待ちに

していたことを……。




僕はアナタに憧れていた。




僕はアナタになりたかった。




僕はアナタに拒絶され、

アナタの時間を止めると、

心に誓ったんです。




ミナミさん、さよなら」




オレはそう言って、

ジャックナイフを彼女に向けて、

彼女の白いブラウスを

見つめていた。