あなたに贈るホラー短編小説

夢は叶わないから夢なんだと

誰かが言った。






夢は叶うはずだと、

僕は主張した。






誰も僕の夢が叶うなんて

思ってはいない。






そんな夢は叶わないから、

早くあきらめなって……。






でも僕は嫌なんだ。






夢をあきらめたくないんだ。






夢を叶えたとき、大地カケルは

初めて幸せになれる。






夢を持たない僕は、

三十五歳、フリーターの

冴えない男だ。






誰も僕の存在には気づかない。






だとしたら、

僕の存在価値は何なのか?






僕はその答えを知るのが

恐ろしくて、

現実から目をそらして

夢を見る。






いつの日か、

白鳥ミナミになりたくて……。