あなたに贈るホラー短編小説

僕は、白鳥ミナミが店を出て

店の自動ドアが閉まるのを

胸が締め付けられる思いで

見つめていた。






話しかけようと思えば、

話しかけられたかもしれない。






自分の思いを伝えようと思えば、

伝えられたかもしれない。






僕は、僕の憧れの人、

白鳥ミナミとは

もう二度と

会えないかもしれない。






僕はそう思うと、

いてもたってもいられなくて、

バイト中に、

店の外に走り出した。






僕は今日だけは、

後悔したくないと

思ったから……。