あなたに贈るホラー短編小説

「だってあの男、

私を騙してたのよ。




自分のことを

全部ウソで固めてたの」






「菜々子、失敗する恋もあるよ。




全部が上手くいってしまったら、

それは夢の物語でしょ」





「ファンタジー作家の夏海なら、

物語の中で、

私を笑顔にさせてくれる?」






「当たり前でしょ。

私のお話には、夢と希望が

あふれているのよ。




私の物語に、

叶わない夢はないから……」






「夏海はいいわね、

売れっ子作家で幸せだから……。




でも私には、

少しもいいことはないわ」






「菜々子、そんなことないわ。




明日はきっと、いいことあるよ」