私がカウンター越しに書類を預かっていくと、今日もあの男がR申請にやってきた。




名城純という男。




肌は黒く、髭を生やし、鍛え上げられた体をしている。




そしてこの男は、いつも私をにらみつけ、その充血した赤い目に憎しみを宿らせている。




なぜこの男が、私を憎んでいるのかはわからない。




私はこの場所以外で、この男と会ったことはないのだから……。




「今日は、オレのR申請を通してくれるか?

池下さんよ!」




名城純が提出した書類には、いつもTGT記入欄に、私の名前が書いてある。




そして私が名城純の復讐の理由を読んで見ると、「R-GPS法を提案したから」と書いてある。




私はこの書類を見ると、この男はバカなのかと疑いたくなってくる。