オレがそんなことを考えているとき、オレの背後からオレを呼ぶ声が聞こえてきた。




「名城純さん……、名城純さんですよね」




オレがその声に振り返ると、そこには黒いコートを羽織ったスーツ姿の役人っぽい男が立っていた。




「名城純さん、今日はあなたに渡すものがありましてね……。

ちょっと待って下さいね。

今、鞄の中から出しますから」




オレに声をかけてきた役人っぽい男は、そう言って鞄の中から何かを取り出し、オレの方に向けた。