美奈子と別れてから、オレはぼんやりと街の中を歩いた。




オレがずっと願い続けた復讐は終わりを迎え、オレは達成感と虚無感の両方の気持ちを抱えながら、これから先のことを考えた。




オレは明日の朝、警察署に自首しにいく。




オレにはきっと、重い罪が科せられるに違いない。




だからこそオレは、この街の景色を目に焼きつけ、それを思い出にして長い刑務所暮らしをしようと思った。




むき出しのコンクリートの味気ない建物の中で、いい思い出ができるはずもない。




オレはつらい刑務所生活を美奈子のことを考えて過ごしたい。




いつか来るはずの美奈子との幸せな生活を夢見て……。