オレがそう言うと、美奈子は涙を拭い、小さくうなずき、微笑んだ。




「純くん、長いお別れになるね。

次に会えるのはいつだろう?

でも私は、十年でも二十年でも、純くんを待っている。

純くんは私の大切な人だから……。

私には、純くんしかいないから……」




美奈子がそう言って、オレに笑顔を見せたとき、オレは自分がしてきたことが報われた気がしてうれしかった。




オレは今日の日の美奈子の笑顔を忘れずに、長い刑務所暮らしを迎えたい。




オレがつらいとき、苦しいとき、オレは美奈子の笑顔を思い出すだろう。




なぁ、美奈子。




オレは本当にバカな男だ。




でもお前だけは、オレを待っていて欲しい。




オレが長い刑務所暮らしを終えたとき、オレたちはもう一度やり直そう。




新しい未来のために……。




オレたちの幸せのために……。