私の口から止めどなく血が溢れ出してきた。




私はもう脱力して、意識を失いそうだった。




そんな私の異変に気づいた名城が、フォロワーたちの前で、大声を上げていた。




「池下が、自分の舌を噛みちぎりやがった!

池下が死んじまう!

池下がR-GPS法を間違った法律だと認める前に……」




私は、慌てる名城の声を聞きながら、心の中で笑っていた。




私はもう、どんな拷問にあっても、R-GPS法を間違った法律だと言うことはできない。




もう私の舌はないのだから……。




私は遠のいていく意識の中で、名城純のことを思った。




〈 残念だったな名城純。

私は池下聖夜のままで死ぬことができそうだ。

私は死んでも認めない。

私の生き方が、間違っていたことを 〉




私はそう思ったあとに、意識を失い、二度と目を覚まさなかった。