「お前は、バカとバカの間に生まれた出来損ないの子どもなんだ。

勉強なんかするな。

そんなことしても、自分のバカさ加減に失望するだけだ」




過去の日に、私の父が私に言った言葉を私は思い出していた。




思えば私は、ずっと父を憎んで生きてきた。




仕事はしない、酒は飲む、わずかばかりの金はギャンブルにつぎ込む。




私はそんな父を見て、この人とは真逆の生き方をしていきたいと、思い続けて生きてきた。




人生は一瞬の煌めきだ。




その人生を私は父のように、くすんだ灰色のままで終わらせたくはなかった。




私は偉くなって、私を見下していた人たちを見返してやりたかった。