私は誰もいない部屋の中で、骨を砕かれた三本の指を見つめながら、激痛に呻き声を上げていた。




私を拉致、監禁し、拷問を加えた男は、あの名城純。




国家犯罪撲滅東京支庁に足しげく通っていた何の生産性もないグズな男だ。




私は何度も何度も、無駄なR申請をしにくる名城純をバカにしていた。




世の中に何も貢献することのない不要な存在だって。




それなのに、犯罪を減らし国家の財政に貢献してきた私が、世の中に何の貢献もしていない名城の暴力の前に、ひれ伏している。




私はそんな理不尽な現実が許せなかった。




私の人生は、ならず者たちの暴力の前に、終わるのだろうか?




だとしたら、今までの私の人生は、いったい何だったのだろう?