リアル炎上「GPS」

「私を憎んでいる人に、私は心当たりがある。

でも、私を憎んでいるのは、おそらく不特定多数で、私は一人の名前を上げることはできない」




私がそう言うと、四十代の警察官は、私が言っていることの意味がわからないらしく、私の顔をのぞき込んで言った。




「不特定多数の人から憎まれているとは、どういうことですか?

よろしければ、私たちに説明して下さい」




「私は国家犯罪撲滅東京支庁の管理官の池下聖夜です。

私が憎まれている理由は、私があのR-GPS法の考案者だから。

私を憎んでいる人は、おそらく世の中にたくさんいます。

でも私は、その一人一人を把握しているわけではないし、把握したいとも思っていない。

なぜなら、世の中の犯罪を激減させたR-GPS法を私は誇りに思っているからです」




四十代の警察官は、やっと私が誰だかわかったらしく、私の顔を見ながら、こう言った。




「ああ、あなたがあの池下聖夜さん……。

それでやっと納得がいきました」