リアル炎上「GPS」

オレと女房が顔を合わせると、オレたちはいつもケンカになる。




部屋の中は、オレと女房の怒鳴り声で、それはひどいもんさ。




でも、そんな部屋の中で、聖夜はいつも本を読んでいたんだ。




まるで、オレと女房の怒鳴り声が聞こえていないみたいに、じっと本を見つめてさ。




オレは聖夜をかわいくない子どもだと思ったよ。




聖夜は所詮、バカとバカの間に生まれてきたできそこないの子どもだよ。




そんなあいつが黙々と本を読んでいると、オレは腹が立って、あいつを殴りたくなるんだ。




聖夜は自分を理解していない。




あいつは世の中の底辺に生まれ落ちてきた子どもなんだ。




将来は、その日暮らしの貧乏人に違いないんだ。




バカなオレにでもそれくらいのことはわかるのに、あいつはまるで、自分の運命に逆らうみたいに、黙々と本を読んでいるんだよ。




バカな子どもだとオレは思ったね。




人間の一生なんて、生まれてきたときには決まっているのに、あいつはそれに逆らっている。




オレはそんなバカな聖夜に、何も言葉をかけずに、酒を飲むんだ。




バカはバカなりに、貧乏人は貧乏人なりに人生を謳歌しなくてはならないからね。





それがオレの持論だよ。





聖夜はきっと、つまらない人生を送るだろうなって、オレは聖夜を見て思ったんだ。




あいつはこのつらい毎日をごまかしながら生きられないって……。