リアル炎上「GPS」

オレはろくに働かなかったから、金なんていつもなかったよ。




貧乏するとさ、人間の心ってすさむんだね。




オレと女房は、いつも金のことでケンカしたよ。




オレはガミガミとうるさい女房の小言を聞いていると、むしゃくしゃして、酒を飲むんだ。




そしてオレは、酔ってハッキリしない意識の中で、金持ちになる夢を見る。




まともに働いても、貧乏なのは目に見えているから……。




そんな見えすいた未来にすがるよりも、オレは一枚の馬券に夢を見たい。




千円札が十万円に変わったら、オレの生活は変わるんだ。




そんな好運が連続して起きれば、オレの未来は変わるんだ。




オレはわずかばかりの日銭を握りしめ、その日銭をすべて馬券に変える。


そしてその馬券は、オレの夢とは裏腹に、紙クズへと姿を変える。




オレは何度、同じ失望を経験しただろう。




でも、それでも夢を捨てられないオレは、きっとバカに違いないよ。