オレの一日は、コップに焼酎を注いで、それを飲み干すことから始まる。




オレはこの儀式を三十年間、破ったことがない。




オレはもう七十六歳になったけど、酒とギャンブルだけは、まだ卒業できずに過ごしている。




オレだって、若い頃は働いたこともあったよ。




日払いの建設現場に行ったりしてね。




でもオレは、生まれつきの怠け者で、働くことが嫌いなんだ。




働かずに酒に酔っていた方が、人間は幸せなんだよ。




そんなオレだから、女房には逃げられたし、息子はオレに近づきもしねぇ。




オレの息子はきっとオレのことが嫌いなのさ。




まぁ、無理もない話だけどね。