オレが敦子にそう言うと、敦子は楽しそうに笑って言った。




「アンタ、おもしろいね。

それがアンタの口説き方なの?

ハハハハ……。

アンタ、まるで子どもみたい」




敦子はそう言うと、オレの頭を優しく撫でて、オレの耳元でささやいた。




「私はアンタのこと、嫌いじゃないよ。

アンタが私のことを必要としているなら、私はアンタと一緒にいるよ。

だからさ、アンタ、もう怯えるのは止めなよ。

男のクセにみっともないよ」




敦子がオレにそう言ったとき、なぜだかオレの震えは止まり始めた。




オレは今夜、敦子を抱こうと思った。




激しく……、何もかもを忘れるくらいに……。




オレは迫りくる不安から、少しでも逃れたかった。