その女は、メガネをかけた野暮ったい女だった。




髪は黒髪、化粧も薄い。




悪く言えば、女を感じさせない不美人だ。




でも、今のオレにとって大切なのは、この女が美人かどうかではなくて、この女がオレの刑期が終わるまで、一緒にいてくれるかどうかだった。




オレは野暮ったいこの女に微笑んで、優しく話しかけた。




「お姉さん、もし暇だったら、オレと遊びませんか?

オレ、お姉さんと話がしたいなぁ」




「アンタなぁ、それと同じセリフを何人に言ったのよ。

本当に口だけの浅はかな男だね」




オレは目の前にいる野暮ったい女に腹が立ったが、今日のオレには、こんな女でさえ必要だった。