オレは夜の駅前にやってきて、自分の味方になってくれそうな女を探した。




今までのオレの人生で、いつだってオレを救ってきてくれたのは、オレに好意を寄せた女たちだった。




オレは容姿はいいが、完璧な男じゃない。




頭は悪いし、金使いも荒い。




計画立てた行動や規則に縛られた生き方も苦手ときている。




オレだって最初から詐欺師だったわけじゃない。




普通のサラリーマンも工場勤務も警備員もやってきた。




でも、そのすべてを続けることができずに、オレは現在に至っている。




そんな社会不適合者のオレに、神さまが与えてくれたのが、天性の明るさと人に好かれる笑顔だった。




オレは、自分が優しく微笑めば、女性がオレに尽くしてくれることを知らず知らずのうちに、悟っていた。




オレは女のヒモとして生きることと、女を騙して生きることに関しては、並々ならぬ才能を持っていた。




オレはオレのすべての短所に目をつぶり、ただ一つだけの長所を頼りに生きることを決意した。




オレの未来は、ヒモか詐欺師だ。




オレはその生き方で、成功してみせるって……。