オレはキズ口をカットバンで塞ぐと、血まみれの服を脱いでタンスに向かい、黒いシャツとジーンズを取り出して、着替え始めた。




〈 よし、これから街に繰り出して、オレを救ってくれる女を探そう。

TGTに味方がいるなんて、リベンジャーたちは思わないはずだ。

オレは帽子とサングラスを身につけて、坂上真人だとすぐにはわからないように変装しよう。

国のGPS機能がいかに優れていようとも、ピンポイントで、オレの居場所がわかるはずがない。

大丈夫だ。

オレは逃げきれるはずなんだ…… 〉




オレは皮の帽子と大きめのサングラスを身につけて、鏡に写る自分を見た。




〈 大丈夫だ。

これならすぐには、坂上真人だとバレないはずだ。

あとは、女だ。

オレをTGTだと知らず、いつもオレの側にいる女がオレには必要だ 〉




オレは棚の中を探り、三千円の現金を見つけると、その金をポケットに入れて、アパートをあとにした。




〈 菜々子のヤツめ、一度、オレを逃がしたのが失敗だったな。

オレはもう、お前たちには捕まらない 〉




オレはアパートをあとにすると、駅前を目指して歩き出した。




オレのフォロワーを探すために……。