リアル炎上「GPS」

オレは不満そうな顔をしている運転手に、優しい口調で話しかけた。




「運転手さん、すまないねぇ。

迷惑をかけたお詫びに、チップを弾むよ。

きりよく一万円でいいだろ。

お釣りは小遣いにしてくれよ」




「まぁ、そういうことなら……。

困ったときは、お互いさまだからね。

それじゃ、オレはここで待ってるよ。

それにしても、お客さんは災難だったね。

世の中には、ひどいヤツもいるもんだ」




タクシーの運転手はそう言うと、気分が良さそうな顔をして、後部座席のドアを開けた。




「運転手さん、それじゃ少しだけここで待っていてくれ」




オレはそう言って、ゆっくりとタクシーを降りていった。