リアル炎上「GPS」

「みなさん、この男の話を真に受けてはダメです!」




待合室にいる全員が、女性看護師の次の言葉を待っていた。




「この男は、TGTです!

この男は、国の敵です!」




女性看護師がそう叫ぶと、待合室にいる人たちが急にざわめき始め、まるで潮が引くように、オレのまわりからいなくなった。




「この男がTGTだって……」

「この男を庇えば罰を受けるぞ……」

「この男に関わるな!」

「早く病院から追い出そうぜ!」

「こいつは、善良な市民の敵だ!」




待合室にいる人間のすべてが、オレに敵意を持って、オレをじっと見つめていた。




この待合室で、孤立してしまったオレは、いたたまれなくなって、叫び声を上げて、走り出した。




〈 チクショー。

みんなオレの敵かよ!

ふざけやがって!

いつかまとめて、ぶっ殺してやる! 〉




オレはキリキリと痛む腹を押さえながら、行くあてもないまま、敵ばかりいる病院を抜け出した。