世の中は常に理不尽です。




弱者はその理不尽さを知りながら、現状を受け入れて生きています。




でも、私にはそれが耐えられないのです。




本来、すべての人は、平等であるべきです。




努力した人は報われ、怠惰な人は落ちぶれるべきなのです。




でも実際の世の中は、私の思い描く理想とは違います。




人は生まれながらにして、別々のスタートラインに立っています。




生まれながらにして、金持ちな人もいれば、貧乏な人もいます。




生まれながらにして、健康な人もいれば、不健康な人もいます。




私は子どもの頃、毎日、同じことを考えました。




弱者が強者に変わる瞬間が欲しい。




不平等な世の中に甘んじず、弱者が主役になるそんな夢を。




理不尽な毎日を生きる中で、私の心の中からたくさんの理想が思い浮かぶのですが、私は貧しい家の子どもです。




その他大勢に属する私の理想は、どんなに声高に叫んでみても、世の中の人たちには届きません。




私は偉くなりたいと思いました。




偉くなって、世の中を変えたいと。




私は自分の理想を実現するために生きていたい。




子どもながらに、私はそう思ったんです。




私は自分の理想に人生をかけたいって……。