続は少し移動しドアに手をかけた。


しかし、それはまだ開かないようだ。


「イジメのリーダーが死んだのに、まだ出れないのかよ」


チッと舌打ちをしてそう言う続。


「あたしたち、全員ここで死ぬのかな……」


あたしはそう呟いた。


《リプレイ》に失敗すると死ぬ。


しかし、ここから出られる条件は一切聞いていない。


《リプレイ》させるだけさせて、助ける気なんてないんじゃないか。


そんな気がしてくる。


「でも、続はどうしてここにいるの?」


あたしは続を見てそう言った。


イジメの仲間の中に続はいなかった。


リンちゃんとも、深い関わりをしていたようには見えない。


続がこの教室に連れてこられている事が、一番の違和感だ。


続はあたしの質問に答えない。


『わからない』と言うならまだわかる。


しかし、答えないと言う事は続に思い当たる所があるからだ。


「ねぇ、続……」


そう言った瞬間、スピーカーが鳴った。


《それでは、次の《リプレイ》です。入学式の日を再現しなさい。相談時間は30分》


入学式の日……?


首を傾げるあたしに対し、続はジッと床を睨み付けていたのだった。