夜の図書室で

 なんだか、幽霊らしくない幽霊だ。足、ないし、後頭部血まみれだったし、急に消えたり出てきたりするから、幽霊なんだろうけど。


「名前、なんていうの?」


「おぼえてない」


 忘れたのか。


 自分の名前がわからないのに、あまり悩んではいない顔だ。


「歳はいくつ?」


「14歳」


 僕と同い年か。


「じゃあ、中二で亡くなったってことだよね。なんで?」


「落ちた。そこから」 


 女の子は、右手の人差し指を立てて、窓を指差した。