夜の図書室で

「だってさっき、教室にいたんだもん。ずっとここにいたんだよ」


 と、彼女が教室の後ろに顔を向けたそのとき、右側の後頭部の髪の毛に、血がついていた。べったりと、真っ赤な血が。


 絶句して、またしても見てはいけないものを見たと思い知る。


「ずっとここにいるから、放課後、一人で来てよ。……待ってる」


 くるりと左にターンして、彼女は僕に背中を向けた。


 後頭部の髪は、血まみれで、赤黒く、時間が経過したのか髪の毛は固まっているようで、制服の白いブラウスのえりもとから背中にかけて、赤いしみが広がっていた。


 息が止まりそうだった。


 流血の跡を見せた女の子の幽霊は、僕を恐怖心でいっぱいにして、消えてしまった。