夜の図書室で

「あなた……、それ、見たのね」


「えっ?」

 それ、と言いながら、彼女は紙きれを持っている僕の右手に視線を向けた。
 手紙。この人が書いたものだったのか。どうしよう。読めなかったけど、見てないわけじゃない。


「いや、見たっていうか……。ちょっとひろって」


「ああ、見たか見てないかは、もうどうでもいいのよ。終わったことだし。それに触ったのなら、あたしはあなたに頼ることにします」


 なにを言っているか、さっぱりわからなかった。「あなたに頼ることにします」……?