「なんかヤバくね?」 誰かがそう言った直後。 ───ポツポツ。 雨が落ちて来た。 「きゃー!雨降って来たよー」 「マジやべぇっ!ザーって来るぞ!」 「急ごう!」 前を歩いていたメンバーは、大慌てで歩幅を早める。 えっ……どうしよう。 必死について行かなきゃとペースを上げようとするけど、足がいうことを聞かない。 みんなの姿はどんどん小さくなるだけ。 でも、早く下りなきゃ。 そう思ったのが裏目に出る。 「───っ」 一瞬にして、世界が反転した。 「きゃあああぁぁぁぁっ!!!」