がむしゃらに、白いバーに向かっていたガキの頃を思い出す。 なにも考えてなかった。 ただ、好きだった。 鳥になりたいと思った。 空と話がしたいと思った。 「跳べよ。な!」 ……拓弥はいつだって、 俺の気持ちを簡単に持って行く。 ……もう一度だけ。 飛び込んでみようと思った。 ハイジャンの世界に。 一から。 ……ハイジャンに憧れて、 ただ夢中になっていた真っ白な地点から。