「あたしと耀くん……仲が良かったから。誰かに聞いたのかな……それで、ちょっと嫉妬しちゃったんじゃないかな」



今になって、こんなことをされる意味は分からないけど。



「いつもあんな風に言われてたの?」

「ううん。初めて……」

「……ったく」



凛ちゃんは、広瀬さんが出て行った方向を睨みつける。



「ひっぱたきたいのはこっちじゃない!後から割って入ってきて、耀太を取ったくせに!」



凛ちゃんの目は、悔しさで滲んでいた。


そして怒りを込めてガシガシお鍋を洗う。



凛ちゃんがいつも笑顔であたしの側にいてくれるだけで、あたしはこんなに救われてるんだよ。


ありがとう。



親友なのに、話せないのってつらい。


耀くんの思いを受け入れられないつらさ。


色んなつらさが交差する。



想いに幕を下ろそうと決めても、あたしの胸の痛みが癒えることはなかった。