俺の質問に、拓弥は屈託のない笑顔であっさり言ってのけた。 『彼女と同じ高校に入りたくてさ、へへっ』 ……なんか笑えた。 なんか、気が抜けたんだ。 『じゃあお前も陸部だろ?あの八神と一緒にやれるなんて、光栄だな』 『えっ、あ、ああ……』 手の中にあった入部届を、クシャっと丸める。 一瞬の判断だった。 陸上の血が騒いだんだ。 コイツと一緒に、陸上をもう一度やりたいって……。