あたしは更衣室へと急ぐ。 急がないと練習が始まっちゃう。 早く取ってこなきゃ。 勢いよく更衣室のドアを開けると、中にひとつの影が見えた。 「え……」 誰もいるはずがないのに人がいたことに驚く。 そして、その人物が広瀬さんだったことにはもっと。 その直後、目線が下にずれて 「あっ……」 目に映ったものに息をのんだと同時、 「やだ、見ないでっ───」 広瀬さんが、突然その場にしゃがみ込んだ。 胸元を隠すように体を丸め、背を向けて。 ……今の、なに……?