私はこの部屋から出ようと、ドアを開こうとしたが、なぜだかドアは開かなかった。




〈 何で?

どうしてドアが開かないの?

お願い開いて!

そうじゃなきゃ、私は真由美に殺される! 〉




私は絶望を感じながら、恐る恐る振り返り、背後に立つ真由美を見つめた。




真由美は不気味な笑みを浮かべ、右手に持つ包丁を振りかざした。




「絢香、お願い。

一緒に逝こう」




真由美はそう言って、私の胸に包丁を振り下ろした。




〈 真由美……、どうして……、どうして、私にこんなことを 〉




私は朦朧とする意識の中、床に倒れ込み、うれしそうに微笑む真由美の顔を見上げていた。




〈 真由美、何で私にひどいことをするの?

私たち、友だちでしょ…… 〉



私は最後にそんなことを思い、やがて意識を失った。