ゾッとするホラー短編集

隆志の呼吸は完全に止まり、

隆志は苦しさに身もだえた。






ブスで、デブで、

陰気な香川桜子が

本当は社長令嬢ではないことに

隆志はすぐに気づいていた。




でも、それでも隆志が桜子に

会っていたのは、

桜子の必死さに

気づかぬフリをして

桜子の必死さを

楽しんでいたから。






香川桜子は、モバイルの

麻美子の友人ではなくて、

麻美子、本人だと

気づいていたから。






サイド内の華やかな麻美子と

リアルな桜子のみじめさと

それを見比べ、

隆志は心の中で、笑っていた。






香川桜子にくらべて、

自分はなんて

幸せなんだろうって……。






隆志は意識を手放し、

意志を持たない存在になった。






桜子は、

そんな人形のような存在になった

隆志を

強く抱きしめて、

二人はやがて重なりあった。