ゾッとするホラー短編集

「隆志くん、会いたかったわ。



隆志くんも今日が何の日か

知っているでしょ。




今日は私の三十一回目の誕生日。




私はその記念日を

あなたと一緒に過ごしたいの」






香川桜子は、狂っていると

隆志は思った。






どこの世界に、

二階のベランダから

不気味に現れた女の誕生日を

祝う男がいるだろうか?






隆志は香川桜子のあまりの狂気に

思わず言葉を失った。






「あなた誰よ!



どうして私たちの部屋に

上がり込むの?



隆志くんが、

あなたの誕生日なんかを

祝うわけがないでしょ。




わかったら、すぐにここから

いなくなって!」