ゾッとするホラー短編集

隆志は、菜々子のその一言に、

慌ててベランダに目を向けた。






するとそこには、

頭から血を流した香川桜子が、

恨めしそうに隆志を見つめ、

ベランダに立っていた。






〈 何で香川桜子が、

ここの部屋の

ベランダにいるんだ?




ここは二階だから、

普通の人は、

そこには行けない

はずなのに…… 〉






「何なのこの女の人。


どうしてベランダにいるの?


どうして頭から

血を流しているの?」






菜々子がそう言って

金切り声を上げたとき、

桜子は、無表情のまま

そっとベランダの戸を開けた。