私はウソばかりが

並べられている隆志の言葉を

胸が張り裂けそうな思いで

聞いていた。






〈 もしも私が

麻美子だったなら、

私はこんなつらい思いを

しなくてもすむのかしら?




かわいくて、健気な女の子、

麻美子……。




私が作り出したもう一人の私。




私は麻美子になりたい…… 〉






隆志の言葉をウソだと責めても、

私は隆志に愛されない。






私が真実を口にしたならば、

きっと私の夢の魔法は

解けてしまう。






偽りの人間関係でしか

隆志を引きとめられない私。






でも、いつの日か、私は……。