ゾッとするホラー短編集

「私たち、せっかく顔を

合わせたのだから、

一緒に食事でもしませんか?」






私はドキドキしながら、

香川桜子らしからぬセリフを

口にしていた。






ひろぽんさんはまだ、

香川桜子という女を知らない。






だとしたら、

私はひろぽんさんの前では、

変われるかもしれない。






精一杯、明るい女を演じて、

たとえブスでも、

嫌われないように……。






だって私は、勇気を出して、

ここまで来たのだから……。