ゾッとするホラー短編集

私がひろぽんさんに

そう言ったとき、

ひろぽんさんは私の顔を

じっと見つめ、

失望の表情を浮かべていた。






私はひろぽんさんの

その顔を見て、

ひろぽんさんの言葉を聞かずとも

ひろぽんさんの考えていることが

わかった。






〈 嘘だろ!




これがサイト内で

誰からも愛される存在の

麻美子なの? 〉







私は三十年間も

香川桜子として生きてきて、

香川桜子を見るまわりの目を

理解していた。






〈 あっ、桜子だ。




デブでブスな桜子 〉






〈 桜子って、本当に陰気な女。




あれじゃ、恋人なんて

できないわ 〉