ゾッとするホラー短編集

私には恋人がいない。






いつも時間をもて余している

陰気な女。





誰もがそう思って、

私には雑用が集まってくる。





他の女子社員には頼めない。






でも、桜子なら……。






そんな声にならない声が、

私の心の中に直接響いて、

胸が痛んだ。






〈 もしも私が、

麻美子だったら、

橋本課長は私に

何て言うのかしら?




無理しないでいいよと、

優しい言葉を

かけたりするのかしら?




私が大切に扱われないのは、

私がブスだから?




それとも、私が陰気だから? 〉






私はそんなことを考え、

パソコンの画面をじっと見つめ、

ため息をついた。






〈 私はやっぱり、

麻美子になりたい…… 〉