ゾッとするホラー短編集

やがてしばらくすると、

金属製の扉を叩く音が

急に止んだ。






私はその変化に

神経を集中させて

小野田真理子の存在を探った。






はたして、小野田真理子は

いなくなったのか? 否か?






私が耳を澄まして、

扉の向こう側の様子を

探っているとき、

誰もいないはずの校舎の屋上で、

誰かが私の肩を叩いた。






私はそのことに、

心臓が止まるかと思うくらい

ドキリとして

ゆっくりと叩かれた右肩の方に

目を向けた。






「木嶋綾子さん、

やっと静かな場所で

二人きりになれたわね」






小野田真理子の悪霊が、

そう言って、

私に微笑みかけたとき

私は恐ろしくて、

ありったけの声で悲鳴を上げた。