ゾッとするホラー短編集

私がドキドキしながら

ドアの向こう側にいるはずの

小野田真理子の様子を

伺っていると、

トイレの中は

急にしんと静まり返り、

物音一つしなくなった。






私は全神経を集中させ、

ドアの向こう側の様子を探った。






〈 どうして急に、

声がしなくなったの?




小野田真理子は、

私がいる場所に

気づいているはずなのに…… 〉






私は生きた心地がしないまま

恐ろしさから

体をカタカタと震わせていた。






小野田真理子の悪霊が、

この場所からいなくなることを

願いながら。






〈 小野田真理子、

お願いだから、消え失せて! 〉






私が心の中でそう願ったとき、

トイレの天井から

何かの液体が、

私の頭にポタポタと落ちてきた。






私が無意識のうちに、

頭に落ちてくる液体を

手で拭うと、

私の手はその液体で

赤く染まった。