「そ、佐奈お前、オレたちが封印されたところに触っただろ?」


リドが言った言葉に、どきりと心臓が跳ねた。

冷汗が流れる。


「佐奈、どういうこと?」

「待って、待って、待って、その視線やめて!」


睨みつけられるような鋭い視線で見つめられる。プレッシャーがすごい。

心当たりはある。

封印を触ってしまった、心当たりが。


「まさか、しりもちついてから立ち上がる時?」


あたしが言うより先にアキが言った。

あたしは何も言えなかったけど、あたしが触ったときがあったとしたらその時からしない。


「佐奈」

「ごめん」

「許さない」

「ごめんなさい!」


必死に謝るけどアキは溜息を吐いて視線を逸らすだけだった。これは許してくれていないようだ。


「でもどうして触るだけで封印が解かれたりしたの?」


あたしが問うと「単純だろ」とリドは言った。


「300年前の封印が解かれたのも、力を持ってるお前が触れたからだろ。

今回の封印は300年前と同じ種類の封印だ。だから解き方も同じだったってわけだ。

そんなことも分かんねえのか、やっぱり佐奈はアホだな」


リドは笑いをこらえているようだった。むかつく。