やけに外が騒がしい。

その声に、私はハッと意識を取り戻した。

鉄格子の合間から、外を覗く。


「―――こ、これはアレックス殿下!」


見張りの騎士は慌てるように立ち上がると、入口に向かってそう言い、頭を下げているのが見えた。


・・・アレックス?

ああ、この国の第一王子ね。


って、ここに王子が来たの?

一体何用で!?



私はベッドから立ち上がると、鉄格子に手を掛けて入口をじっと見る。

カツカツ、と靴が石畳に当たる音が聞こえ、こちらへと近づく。



その人は鉄格子を挟んで私の目の前に立った。

そして、感情のない低く冷たいトーンで、こう話す。



「君が今は亡きレイモア国の第一王女、ソフィア・クリスフォース・レイモア嬢か」