「―――ソフィア、私だ。話をしよう、ここを開けてくれ」

「・・・・」


扉の向こうから、殿下の声。

あれから毎日のように贈り物に加え、夜も毎日訪問するようになった。


私は最初と変わらずその扉を開けずに、今はただひたすらに無視を決め込んでいる。


一体どういう事?

もう来ないと思っていたのに、どうしてこうも毎日!



最初はすぐ諦めて帰っていたのも、最近はかなり長い間扉の前にいるようで、扉越しからでもわかる殿下のオーラを長い間感じざるを得なかった。


私はそれがとても苦痛で仕方なかった。

だから、布団を頭から被ってなるべく感じ取らないようにしている。


「ソフィア、いい加減にしてくれないか。話が出来なければ何も始まらないじゃないか」


何も始まらない、って何を始めるのよ。

冗談じゃない!誰がアンタと話すもんですか!!


ドンドンドン、と大きく扉を叩いて開けろとアピールをする。


今日はやたらとしつこい。
こんなんじゃ周りに迷惑になってしまう。

仕方なく頭から被っていた布団を剥ぎ取ると、扉の前に向かった。