・・・うん、これでいい。

こうやってなるべく殿下との接触を避けていけば、殿下も諦めてくれるだろう。

他にも妻はいるんだし、あの3人と仲良くやっていればいい。

私が気に入らないなら、追い出したって処刑してくれたって、一向に構わないから。



ふう、と息を吐くと私は寝台に身を預けた。

そして天井を見つめる。


この日々がいつまで続くのだろうか。

さっさと終わってしまえばいいのに。


この国に来るまで、さほど面白い人生ではなかった。

そして今も全く面白くない。


・・・自由のない人生。

死んだらあっちの世界で、自由になれると思っていたのにな。


「王女になんて、生まれなきゃよかった・・・」

私の瞳から涙が零れる。

今まで決して泣く事がなかったのに、ここに来てどっと弱さが溢れた。



涙を拭わないまま、目を瞑る。

途端に睡魔が私を襲う。


ゆらゆらと現実と夢の狭間を行き来しながら、私はそのまま意識を手放した。