「・・・お前にはまだそれだけプライドが残っているのだな」

「あなたに抱かれたくない、ただそれだけの事です」


「そうか」



そう言うと、殿下は部屋の入口へと足を向けた。

諦めてくれたのだ、と少しホッとする。



だが、部屋のドアノブに手を掛けたところで、私へと身体を向ける。

そして、こう言い放った。



「では、お前が私を好きになれば問題はない、という事だな?」


「・・・え?」




「いいだろう。お前が私の事を好きになるようにしてやる。お前が私なしではいられないほどに惚れされてやろう。・・・覚悟しておけ」